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プロローグ

まだ、人類が太陽の下に在った時代…

 

 

突如、先住者を名乗る魔物達の長ウラノスと

率いられた無数の魔物達によって人類は駆逐された。

 

 

総勢たる諸国が魔物に挑んだが

そのこと如くが滅ぼされ、

 

遂には、大国ベルムンドの英雄ディスガンダールまでもが

魔物達の長の討伐を名乗り出た。

 

 

長き戦に疲れた兵達に英雄の背を追う余力は

残されておらず、人類は最後の希望に思いを託したが

 

 

英雄が帰還を果たす事は無かった…

 

 

そして遂に外界は魔物の手に堕ち

生き残った人類は

戦いを恐れ、各地で地中深く穴を掘り

永久に光を閉ざし安寧を得た暗闇の民だけだった。

 

 

幾度か世代が入れ替わった今、

臆病な人類は、誰が発端かも解らぬ

伝承を信仰する程に落ちぶれていた。

 

 

そう…暗闇の民ならば誰もが知っているあるであろう

 

礎の伝承

 

暗闇の底で唯一外界との架け橋となる

と呼ばれる聖域には不思議な力が宿り

 

 

先人が残した石を持つ者のみが

礎に選ばれし不死となり、

失われた亡国ベルムンドへさらわれると云う。

 

 

この伝承を信じ、ここ数百年の間に

数多もの猛者が石を持って礎に飛び込んだが

外界に一切の差異はもたらされる事は無かった。

 

 

そして今日も、

暗闇の底で闘志をくすぶらせる一人の若者が

嵐の前の静けさにその身を震わせていた、、、

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